「優秀な人材を集めたのに、なぜかチームがうまく機能しない」
多くの経営者がこの悩みを口にします。 個々の能力は高いのに、チームとしての成果が出ない。
コミュニケーション研修をやってみた。飲み会も増やした。 それでも、あの二人の間の空気は変わらない──。
能力の問題でも、やる気の問題でもないとしたら、 残っているのは「関係の構造」です。
人と人の間には、本人たちの努力とは別の層で、 「噛み合い方のクセ」のようなものがあります。
同じ言葉でも、受け取り方が人によって違う。 同じ指摘でも、刺さる相手と流せる相手がいる。
宿曜は、月の運行をもとに27の「宿」で人の反応の型を見立てる、 古くからのフレームワークです。宿と宿の間の関係には 「命・業・胎」「栄・親」「危・成」といった伝統的な分類があり、 影響が深く出やすい間柄か、高め合いやすい間柄か、 緊張が生まれやすい間柄か、という見立てを与えてくれます。
大切なのは、これを「判定」に使わないことです。 関係の見立ては、当てるための答えではなく、 「あの二人のすれ違いを、責めずに話題にできる共通言語」。 そこにこの道具の価値があります。
- チームの停滞は能力ややる気ではなく「関係の構造」の問題であることが多い
- 宿曜は27宿の反応の型から、間柄の噛み合い方を見立てる先天のレンズ
- 見立ては判定ではなく、すれ違いを責めずに話すための共通言語
- 採否・査定・配置の判断には使わない──対話の手がかりに限る
「性格が合わない」が「型の違い」に変わった営業チーム
ある会社で、リーダーとエース格のメンバーの間に ずっと緊張がありました。周囲は「性格が合わない」と諦め顔。
関係の見立てを二人と一緒に眺めてみると、 互いに刺激し合いやすく、そのぶん摩擦も生まれやすい間柄でした。
ここで大事なのは、「だから離す」ではありません。 二人がその見立てを見ながら、 「言い方がきつく聞こえるときがある」 「急かされると雑に返してしまう」 と、これまで言えなかったことを言葉にできたことです。
「あなたが悪い」ではなく「型が違う」から話が始まると、 同じ指摘でも受け取りやすくなります。 関係が変わったのは、配置ではなく、対話でした。
「深い縁」ほど、こじれると長引く
宿曜でいう「命・業・胎」は、影響が深く出やすい間柄とされます。
良いときは阿吽の呼吸。しかしこじれると、 お互いに「分かってくれるはず」という期待が強いぶん、 失望も深くなりやすい──そんな見立てです。
創業期からの右腕と社長、という組み合わせに この型があることは珍しくありません。
見立てを知っていると、「最近ぎくしゃくしているのは、 期待が大きいことの裏返しかもしれない」と、 一歩引いて眺め直すきっかけになります。
関係の見立てを対話に変える4ステップ
- 気になっている「あの二人」を一組だけ思い浮かべる
- それぞれの誕生宿を調べ、間柄の見立てを本人たちと一緒に眺める
- 「当たっているか」ではなく「思い当たる場面があるか」を聞いてみる
- 出てきたすれ違いの場面を、責めずに言葉にする時間を取る
チームの人間関係は、「気合い」や「研修」だけでは動きにくいものです。
宿曜の見立ては、未来を当てる占いではなく、 すれ違いを話せるようにするための共通言語です。
なお、五次元経営では宿曜(生まれ持った先天)と当たり役(いまの見られ方=後天)を、 別々の軸の二つのレンズとして扱います。混ぜて総合点にはせず、並べて対話の手がかりに。 そして、採否・査定・配置の判断には使いません。
あなたのチームの「あの二人」── 最後にすれ違いをそのまま言葉にできたのは、いつですか。