52歳、非エンジニア。 「最近どう?」と聞かれて「忙しくて」と答える。 もう15年くらい同じ返答をしている気がする。
銀行員時代も忙しかった。PE投資の現場も忙しかった。 独立してからは、もっと忙しい。
ある日、ふと気づいた。 売上は伸びている。チームも育っている。 成果は出ているのに、なぜか重い。
「頑張る」の反対は「サボる」ではなく、 「ごきげんでいる」なのかもしれない。 そう思ったとき、忙しさの正体が見え始めた。
「成果は出ているのに重い」。 この状態に陥っている経営者は少なくない。
忙しさの中身を分解してみると、4つの構造が見えてくる。
第一に、「やらなくていいことをやっている」。 第二に、「自分の機嫌を後回しにしている」。 第三に、「他人の期待に自動応答している」。 第四に、「止まることを怖がっている」。
この4つが重なると、どれだけ成果を出しても 「楽になった」という実感が得られない。
頑張らず、成果が出ている状態── それは怠惰ではなく、設計の問題。
ごきげんの4原則がある。 「やりたいことをやる」「やりたくないことをやめる」 「ごきげんな人と過ごす」「不機嫌の種を取り除く」。
この4つを経営に適用すると、 忙しさの構造が根本から変わる。
- 成果が出ているのに重い──その構造的な理由は「ごきげん」の欠如
- 忙しさの4構造:不要な作業・機嫌の後回し・期待への自動応答・停止への恐怖
- ごきげん4原則を経営に適用すると、頑張らずに成果が出る状態が設計できる
「やりたくないこと」を3つやめた経営者の変化
年商8億のサービス業経営者。 毎朝6時に起きて、夜10時まで働いていた。
ある月、ごきげん4原則に沿って 「やりたくないこと」を書き出した。 47個出てきた。
その中から3つだけ、やめることにした。 ・毎週月曜の定例会議(形骸化していた) ・全社メールの一斉確認(担当者に委譲) ・月末の集計作業(ツールで自動化)
3つやめただけで、週に6時間が空いた。 しかし本当の変化は時間ではなかった。
「やりたくないことをやっている自分」から 解放された感覚。 肩の荷が降りるとは、こういうことかと実感した。
3ヶ月後、売上は変わらなかった。 変わったのは、経営者自身の顔つきだった。 社員が「最近、社長楽しそうですね」と言い始めた。
「不機嫌の種」を特定したら経営会議が変わった
年商5億の製造業経営者。 毎回の経営会議が憂鬱だった。
報告を聞いているうちにイライラが募り、 つい厳しい言葉が出る。 会議後は自己嫌悪。その繰り返し。
ごきげん4原則の「不機嫌の種を取り除く」を試した。 会議のどこで不機嫌になるかを観察してみた。
原因は「結論のない報告」だった。 「こういう状況です」で終わる報告を聞くたびに 「で、どうしたいの?」とイラつく。
翌月から報告フォーマットを変えた。 「状況→自分の判断→確認したいこと」の3点だけ。
会議時間が90分から45分に縮まった。 しかも、部下の判断力が上がった。 「自分で考えてから持ってくる」習慣がついたから。
不機嫌の種は、仕組みで取り除ける。
「ごきげんな人と過ごす」を選んだ結果
独立後、義理で続けていた交流会が3つあった。 毎月合計12時間。移動含めると20時間。
参加するたびに疲弊する。 しかし「人脈は大事だ」と自分に言い聞かせていた。
ごきげん4原則を知って、問いを立てた。 「この場にいると、自分のエネルギーは上がるか、下がるか」
答えは明白だった。3つとも、下がる。
全部やめた。代わりに、 本当に話したい3人と月1回ずつ会うことにした。
20時間が3時間になった。 しかも、その3時間は充電の時間になった。
「人脈の広さ」ではなく「関係の質」。 ごきげんを基準にすると、付き合い方が変わる。
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忙しさの構造を解体する4ステップ
- 紙を4分割し「やりたい/やりたくない」「ごきげん/不機嫌」のマトリクスを作る
- 今の業務・予定・人間関係をすべてマトリクスに配置する
- 「やりたくない × 不機嫌」の象限から、今月やめるものを1つ決める
- 「やりたい × ごきげん」の象限に、今月増やす時間を1つ決める
「忙しい」は、経営者としての責任感の表れでもある。 しかし、成果が出ているのに重いなら、 それは頑張りの問題ではなく設計の問題かもしれない。
ごきげんは怠惰ではない。 最も持続可能な経営資源。
今日一日を振り返って── 「ごきげん」だった時間は、何分ありましたか。
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