Next.jsとSupabaseの認証で、厄介なバグに遭遇した。 Google認証は成功する。でもセッションCookieが作成されず、無限ループに陥る。
最初にGeminiに相談して、3時間を溶かした。 次にClaude Codeに同じ問題を投げたら、10分で解決した。
原因は「sessionsテーブルが存在しなかった」という初歩的なミス。 でも、その初歩的なミスに3時間気づけなかった。
両者のアプローチの違いが、経営判断にも通じるものだった。
Geminiは「推測」から始まった。 Cookie処理の修正、DB接続タイムアウト、環境変数の再設定—— 統計的に頻出するパターンから、順番に提案してくる。 どれも当たらなかった。
Claude Codeは「観察」から始めた。 「まず、エラーの詳細を完全に可視化しましょう」と言い、 段階的なログを実装させた。 Step 1: OAuth認証…成功。Step 2: ユーザー保存…成功。 Step 3: セッション作成…失敗。エラーコード「PGRST205」。 テーブルが存在しない。それだけだった。
推測 vs 観察。3時間 vs 10分。 この差は、経営の場面でもまったく同じことが起きる。
実際に3ヶ月使い分けてわかったのは、 ChatGPT=設計専門のアーキテクト、 Claude Code=実装専門のペアプロパートナー、 という明確な役割分担だった。
- ChatGPTは「何を作るか」を考える設計に強い。Claude Codeは「作る」ことに特化している
- Claude Codeはプロジェクト全体を読み、ファイル編集・コマンド実行・デプロイまで一気通貫で動く
- ChatGPTは設計の壁打ち・方針決定・ドキュメント作成に向く
- 「どちらが優れているか」ではなく、設計はChatGPT、実装はClaude Codeという使い分けが最適解
- コスト:どちらも月額$20から。ROIの差は「実行力」で決まる
3つのAIツールを使い分けた開発の実際
私はSaaSアプリの開発で、ChatGPT・Claude Code・Codexの3つを使い分けている。ChatGPTには「設計専門のアーキテクト」として、Phase設計・要件整理・技術選定を任せる。プロンプトの冒頭で「技術スタックはGitHub・Vercel・Supabaseに固定。これ以外は提案しないでください」と宣言する。こうしないと、ChatGPTは親切心でFirebaseや独自JWT実装を提案してきて、初心者は沼にハマる。実際に私はNeon→SupabaseのDB乗り換えで丸2日を無駄にした。Claude Codeには「ペアプロパートナー」として、ファイル編集・デバッグ・Git操作を任せる。「こういうツールが欲しい」と日本語で伝えるだけで、プロジェクト全体を理解して動いてくれる。3つ目のCodexは「文脈復元アシスタント」。Claude Codeのセッションが切れたとき、前回の作業履歴を含んだ指示文を生成して、新しいセッションに貼り付けるだけで文脈を完全に引き継げる。
推測 vs 観察——経営判断にも通じる教訓
Geminiの思考回路は「こうだろう」→確認→違った→「じゃあこうだろう」。Claudeの思考回路は「まず事実を見よう」→ログで観察→原因特定→解決。この違いは経営判断でもまったく同じだ。「売上が下がった。たぶん営業の問題だろう」——本当にそうか。まず数字を見たか。「社員のモチベーションが低い。たぶん給与の問題だろう」——本当にそうか。まず話を聞いたか。推測は効率的に見えて、しばしば遠回りになる。観察は非効率に見えて、しばしば最短ルートになる。Claude Codeの優秀さの本質は「賢さ」ではなく「観察への徹底したこだわり」にある。経営者がツールを選ぶとき、この思考の違いを知っておくことに価値がある。
非エンジニアがClaude Codeで得られるROI
私の場合、「データベース何それ美味しいの?」というレベルから始めて、3ヶ月でSaaSアプリを本番リリースした。技術スタックはNext.js・Supabase・Vercel。月額のAIツール費用は約$20。外注で同じものを作ったら、見積もりは300〜500万円だった。ChatGPT Plusも月額$20だが、コード生成→手動ファイル作成→設定という作業が残る。Claude Codeなら「こういうツールが欲しい」と送るだけで、フォルダ構成・データベース設定・API・画面まで一気に作ってくれる。経営者にとっての決定的な差は「自律的に動くかどうか」。自分でファイルを貼り付ける作業が不要なClaude Codeは、非エンジニアにとって圧倒的に投資対効果が高い。
AIネイティブ化の全体像は /for-ceo でご覧いただけます。
経営者のためのAIツール使い分け
- まずClaude Code Proプラン(月額$20)に登録し、小さなツールを1つ作ってみる。「顧客リストを管理するWebアプリ」程度でいい
- ChatGPT Plusを「設計の壁打ち相手」として並行利用する。「こういうアプリを作りたいが、どういう設計がいいか」と相談する
- 技術スタックは最初に固定する。GitHub・Vercel・Supabaseの3つで十分。迷ったらこの組み合わせから始める
- Claude Codeのセッションが途切れたら、Codexで「前回の作業内容を含んだ指示文を作って」と頼み、新セッションに貼る
- 1ヶ月後に振り返る。設計はChatGPT、実装はClaude Code、文脈復元はCodex——この使い分けが体に馴染んでいるはずだ
推測より観察。 仮説より事実。
AIツール選びも、経営判断も、 本質は同じところにある。
あなたは今、 推測で動いているだろうか。 それとも、観察から始めているだろうか。
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