「面接では良かったのに、入社後に全然違った」 「スキルは申し分ないのに、チームに馴染めない」
採用のミスマッチは、採り直しの費用だけでなく、 チームの空気にも大きく響きます。
多くの会社が「見抜く力」を磨こうとします。 面接の質問を工夫し、適性検査を増やし、リファレンスを取る。
それでも、ミスマッチはなくなりません。 見抜けなかったのではなく、 入社後に「噛み合わせる」工程が抜けていた── そう捉え直すと、打ち手が変わります。
面接で分かるのは、スキル・経歴・受け答えまでです。
「この人とあのリーダーの間で、言葉がどう伝わるか」 「指摘を受けたとき、どんな反応が出やすいか」
こうした噛み合い方は、一緒に働き始めてからしか現れません。 つまりミスマッチの正体の多くは、選抜の失敗ではなく、 入社後の相互理解が仕組みになっていないことです。
先にはっきり書いておきます。 宿曜や当たり役のような「見立ての道具」を、 採否・査定・配置の判断に使うことはおすすめしませんし、 五次元経営でも使いません。 人を選別する物差しにした瞬間、 この道具は対話の共通言語ではなくレッテルになるからです。
使いどころは、迎え入れたあとです。 新しく入った人と受け入れるチームが、 お互いの反応の型を「責めずに話せる話題」として眺める。 そのための共通言語として、見立ては力を発揮します。
- 面接で分かるのはスキルと経歴まで──噛み合い方は入社後にしか現れない
- ミスマッチの多くは「選抜の失敗」ではなく「入社後の相互理解の不足」
- 見立ての道具は採否・査定・配置には使わない──使いどころは迎え入れたあと
- 型の違いを「責めずに話せる話題」にすると、馴染むまでの時間が縮まりやすい
「即戦力なのに孤立」が対話で解けた
経験十分の中途入社者が、3ヶ月経ってもチームに馴染めない。 仕事はできるのに、どこか壁がある──よくある光景です。
ある会社では、受け入れ面談の場で、 本人とチームのメンバーがお互いの反応の型の見立てを 一緒に眺める時間を取りました。
「まず結論から聞きたいタイプ」と 「経緯から話したいタイプ」が隣り合っていたことが、 言葉になった瞬間、双方から笑いが出たそうです。
「合わない人」だと思っていたものが「型が違うだけ」に変わる。 入社後の相互理解とは、この転換を早めることです。
「歓迎会」より効いた、型の共有会
新しい人を迎えるとき、歓迎会は開くのに、 「この職場の人たちはどんな反応の型か」を伝える場は ほとんどの会社にありません。
ある会社では、入社初週に30分だけ、 チームの一人ひとりが「自分はこう見られがち」 「こう言われると動きやすい」を紹介する時間を作りました。
新入社員が3ヶ月かけて手探りで学ぶことを、 初週に地図として渡す。 見立ての道具は、この地図づくりの土台として使えます。
迎え入れの相互理解・4ステップ
- 直近で入社した人が「馴染むまでに何ヶ月かかったか」を振り返る
- 次の入社者の初週に、チームの反応の型を紹介し合う30分を予定に入れる
- 見立てを眺めるときは「当たっているか」でなく「思い当たる場面」を聞く
- 1ヶ月後、本人に「言いにくかったこと」を聞く場を設ける
採用のミスマッチを減らす鍵は、「見抜く力」よりも 「迎え入れたあとの相互理解」にあります。
宿曜(生まれ持った先天)と当たり役(いまの見られ方=後天)は、 別々の軸の二つのレンズ。混ぜて総合点にはせず、並べて対話の手がかりに。 採否・査定・配置の判断には使いません。
次に入ってくる人のために、 「この職場の型」を伝える30分を用意できるとしたら── 誰に、何を話してもらいますか。