52歳、非エンジニア。 M&Aアドバイザリー出身。戦略を立てるのは得意だった。
でも、戦略が現場で散る。
四半期ごとに方向性を決める。 部門に展開する。 3週間後には元に戻っている。
砂に水をまいている感覚。
タスク管理ツールを入れた。続かなかった。 プロジェクト管理ツールも試した。同じだった。
問題はツールではなかった。 戦略と現場の間に「見えない断層」があった。
この断層を埋めるために、 自分で経営OSを作ることにした。
135,611行のコード。1,019コミット。244のテスト。 IPA非機能要求グレードA相当のセキュリティ。
これが、非エンジニアの私が作った経営OSの実態だ。
Founders Direct Cockpitの設計思想はシンプルだった。 OKR(戦略)→ Action Map(戦術)→ TODO(実行)。 この3層を、一直線で繋げる。
タスクを完了すると、ActionItemの進捗が動く。 ActionItemが進むと、ActionMapのステータスが変わる。 ActionMapが完了に近づくと、Key Resultの数値が上がる。 Key Resultが達成されると、Objectiveが達成される。
下から上まで、自動でロールアップする。
今日やっているタスクが、 どのAction Mapに紐づいていて、 どのOKRに貢献しているか。 これが常に見える。
経営者も、部門長も、メンバーも、 同じ地図を見ている。
「砂に水をまく」感覚が消えた。 初めて、水が染み込んだ感じがした。
- 戦略と現場の断層:決めたことが3週間で散る構造的問題
- 一気通貫の設計:OKR → Action Map → TODO、3層が自動ロールアップで繋がる
- 実証された規模:135,611行 / 1,019コミット / 244テスト / セキュリティグレードA
- 経営時間の圧縮:確認のための会議が消え、Cockpitを開けば全体が見える
導入前──「把握するための時間」が経営を圧迫していた
毎週月曜の朝、2時間の部門報告会議があった。
営業が営業のKPIを報告する。開発が開発の進捗を報告する。管理部門が管理の数字を出す。
それぞれは正しい。でも「全体として戦略は進んでいるのか」が見えない。
報告を聞いた後、自分で各部門のスプレッドシートを開く。タスク管理ツールを確認する。Slackの履歴を遡る。
「把握するための時間」が、週に8時間以上あった。
それでも把握しきれない。結局、廊下で部門長を捕まえて「あれ、どうなった?」と聞く。
この構造はツールの問題ではなかった。戦略(OKR)とタスク(TODO)の間に「接続する層」がなかった。部門報告は「やったこと」を並べるが、「それが戦略にどう繋がるか」は誰も見ていなかった。
導入後──1,019コミットで構造が変わった
Cockpitを自分で作ると決めてから、1,019回のコミットを重ねた。
最初に作ったのはOKRの管理画面。Objectiveを定義し、Key Resultに定量指標を紐づける。会社・チーム・個人の3レベルで設定できるようにした。
次にAction Map。OKRを行動に分解する層だ。「誰が」「何を」「いつまでに」をツリー構造で管理する。マネージャーが計画を作り、メンバーがActionItemとして実行する。
最後にTODO。4象限システム(♠緊急×重要、♥重要、♦緊急、♣戦略的20%)で日々のタスクを管理する。習慣化機能(松竹梅の3段階)も組み込んだ。
この3層が繋がった瞬間、景色が変わった。
タスクを1つ完了すると、Action Mapの進捗バーが動く。Key Resultの数値が自動更新される。Objectiveの達成スコアが変わる。
今日のTODOが、四半期の戦略とどう繋がっているか。全員が、同じ画面で見ている。
月曜の2時間の報告会議は、15分のCockpit確認に変わった。
本当に変わったこと──経営者の「状態」
244のテストが通っている。E2Eテスト97件、ユニットテスト147件。TypeScript strict mode。技術的負債ゼロ件。セキュリティスコア100/100。
数字は品質を保証する。だが、最も大きな変化は数字では測れない。
導入前は、常に「把握しなければ」という緊張があった。各部門が何をしているか。進捗は予定通りか。戦略とズレていないか。この確認のために会議を開き、報告を受け、自分の目で確かめていた。
導入後は、Cockpitを開けば全体が見える。
確認のための会議が減った。経営者が部門に入り込む必要がなくなった。経営時間が圧縮された。
だが最も大きな変化は別のところにある。「経営が回っている」という安心感だ。
把握できている。進んでいる。方向がズレていない。
この安心感が、次の一手を考える余白を生む。焦りや不安に駆られて判断するのではなく、静かに、確信を持って、次を決められる。
Cockpitはプロジェクト管理ツールではない。経営者の状態を保つための構造──経営OSだ。
AIネイティブ化の全体像は /for-ceo でご覧いただけます。
今の経営構造を観察する5つの問い
- 問い1:直近の四半期目標が、今日のTODOまで一直線で繋がっているか確認する
- 問い2:各部門の行動が全体の方向性と接続しているか──「やったこと」と「戦略への貢献」の区別がついているか観察する
- 問い3:「把握するための時間」が週に何時間あるか棚卸しする
- 問い4:戦略と現場の間にある断層を、具体的に1つ名前をつけてみる
- 問い5:その断層が埋まったとき、経営者としての自分の状態はどう変わるか想像する
135,611行のコード。 1,019回のコミット。 244のテスト。
非エンジニアの52歳が作った。
でも、数字は手段でしかない。
本当に変わったのは、 月曜の朝の2時間が15分になったこと。
「回っている」という静かな確信の中で、 次の一手を考えられるようになったこと。
あなたの会社では今、 戦略と現場は繋がっているだろうか。
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