「内製化」という言葉を よく聞くようになりました。
外注していたものを、社内で。 外に出していたものを、中に。
それ自体は良い方向です。
でも、内製化したのに 何かが変わっていない感覚がある。
エンジニアを雇った。 社内に開発チームをつくった。 でも、自分と開発チームの間に やっぱり「翻訳」が必要になっている。
それは、なぜだろうか。
内製化とAIネイティブ化は、 似ているようで構造が違います。
内製化は、実行の場所を変えること。 外注先が社内の技術者に変わっただけ。
経営者自身は、依然として 「伝える側」にいます。
AIネイティブ化は、 経営者自身がつくる側に回ること。
意思決定と実装が直結する。 間に誰も入らない。
違いは「主導権の位置」です。
内製化では、主導権は社内にある。 でも、経営者の手元にあるとは限らない。
AIネイティブ化では、 主導権が経営者の手元に戻る。
この差は、小さいようで大きい。
- 構造①:内製化は実行の場所を変えること
- 構造②:AIネイティブ化は経営者自身がつくる側に回ること
- 構造③:主導権の位置が決定的に違う
構造①:内製化は実行の場所を変えること
内製化の本質は、 「どこで実行するか」の変更です。
外注先に頼んでいたものを、 社内のエンジニアがやるようになる。
コストは変わるかもしれない。 スピードも変わるかもしれない。 コミュニケーションも、少し楽になるかもしれない。
でも、構造は変わっていません。
経営者が要望を伝える。 技術者が解釈する。 技術者が実装する。 経営者が確認する。
「伝える→解釈→実装→確認」 このループは、外注でも内製でも同じ。
場所が社外から社内に変わっただけで、 経営者は依然として「伝える側」にいます。
構造②:AIネイティブ化は経営者自身がつくる側に回ること
AIネイティブ化は、 構造そのものが変わります。
経営者がAIと直接対話する。 「こうしたい」と伝えると、AIが形にする。 違えば、その場で伝え直す。
間に誰もいません。
「伝える→解釈→実装→確認」ではなく、 「考える→形になる→確認する」。
解釈のステップが消える。 翻訳が不要になる。
経営者の頭の中にあるものが、 そのまま形になる。
これは、内製化とは根本的に違う体験です。
内製化は「良い通訳者を社内に持つ」こと。 AIネイティブ化は「通訳が不要になる」こと。
構造③:主導権の位置が決定的に違う
内製化した場合、 主導権はどこにあるか。
多くの場合、 技術者に依存する構造が残ります。
「これはできますか」とエンジニアに聞く。 「それは工数がかかります」と言われる。 「では別の方法で」と妥協する。
主導権は社内にある。 でも、経営者の手元にはない。
AIネイティブ化した場合、 主導権は経営者の手元にあります。
「これをやりたい」と思ったら、 自分でAIに伝えて、形にする。
できるかどうかを誰かに聞く必要がない。 工数を気にする必要もない。
純粋に「やるべきかどうか」だけで判断できる。
この差が、経営の質を分けます。
主導権の位置を観察する
- 最近、社内で何かを「つくりたい」と思ったときの流れを思い出す
- そこに「翻訳」や「解釈」のステップがあったかどうかを確認する
- 自分が「伝える側」にいるか「つくる側」にいるかを観察する
- 主導権が自分の手元にあるかどうかを、静かに感じてみる
内製化を否定する必要はありません。 外注先を社内に移すことにも、意味はある。
ただ、その先に もう一つの選択肢があります。
経営者自身がつくる側に回る。 意思決定と実装を直結させる。
内製化が「社内でやる」ことだとすれば、 AIネイティブ化は「自分でやる」こと。
その違いを知った上で、 どちらを選ぶかは、あなた次第です。