実行力はある。 戦略も描ける。 数字も読める。
それでも、どこかで止まっている感覚がある。
頑張っている。 でも、突き抜けない。
この感覚に心当たりがあるなら、 それは能力の問題ではないかもしれません。
内的企業価値診断というものがあります。
ホーキンズの意識スケールをベースに、 経営者の内的な状態を可視化するもの。
判断精度、胆力、ごきげん。 この3つを軸にスコア化します。
そこに、ひとつの境界線があります。 400という数字。
400以下は「安定帯」。 実行力があり、成果も出せる。 でも、構造的にブレイクスルーが起きにくい。
400以上は「加速帯」。 判断が軽くなり、 AIネイティブ化が自然に機能し始める。
この差は、能力の差ではありません。 状態の差です。
- 400以下は安定帯 ── 実行力はあるがブレイクスルーが起きにくい
- 400以上は加速帯 ── 判断が軽くなりAIネイティブ化が自然に進む
- 壁の正体は能力ではなく状態
- 良い悪いではなく、次のフェーズへの準備ができているかどうか
安定帯の構造
400以下の状態は、 決して悪い状態ではありません。
むしろ、多くの経営者がここにいます。
戦略を立て、実行し、成果を出す。 PDCAを回し、組織を動かす。
ただ、この帯域には特徴があります。
判断に「考える」が多い。 選択肢を比較し、リスクを計算し、 根拠を積み上げてから決める。
それ自体は正しいプロセスです。 でも、エネルギーを消費します。
判断ひとつひとつが重い。 だから、経営時間が長くなる。
AIを導入しても、 「AIに何をさせるか」を考えること自体に 時間がかかる。
これが安定帯の構造です。 能力が足りないのではなく、 状態がそうさせている。
加速帯の構造
400を超えると、 判断の質が変わります。
「考える」から「観える」へ。
選択肢を並べて比較するのではなく、 どこに向かうべきかが先に見える。
見えてから、根拠を確認する。 順序が逆転します。
この状態では、判断が軽い。 迷いが少ない。 経営時間が圧縮される。
AIネイティブ化も自然に進みます。
なぜか。
AIに「何をさせるか」が明確だから。 方向が見えている状態では、 AIは道具として最大限に機能します。
経営力はそのまま。 状態だけが更新されている。
企業価値倍増と経営時間半減が、 同時に起き始めるのがこの帯域です。
壁の正体
400の壁は、 スキルの壁ではありません。
知識を増やしても超えられない。 努力を重ねても超えられない。
この壁の正体は、 「手放すこと」への抵抗です。
安定帯では、 コントロールが成果を生みます。
計画し、管理し、実行する。 その延長線上に成果がある。
でも加速帯に入るには、 コントロールを緩める必要がある。
すべてを把握しなくていい。 すべてを自分で決めなくていい。
その感覚を許可できるかどうか。
これは訓練ではなく、 状態の転換です。
だから、壁と呼ばれます。
自分の帯域を観察する
- 最近の重要な判断を3つ思い出す
- それぞれ「考えて決めた」か「見えて決めた」かを振り返る
- 判断に使ったエネルギーの大きさを感じてみる
- 今の自分が安定帯にいるか加速帯にいるか、静かに観察する
400の壁は、 良い悪いの話ではありません。
準備ができているかどうか。 次のフェーズに入れる状態かどうか。
今、安定帯にいるなら、 それは今の自分に必要な場所にいるということ。
ただ、もし 「もう少し軽くなれるはず」 という感覚があるなら、
それは状態が変わり始めているサインかもしれません。
今、自分がどこにいるのか。 それを知ることが、最初の一歩です。