企業価値を高めたい。
売上を伸ばす。利益率を上げる。 ブランドを磨く。市場での評価を高める。
これらは大切なことです。 でも、これだけを追いかけていると どこかで息が詰まることがある。
数字は上がっているのに、 何かが足りない。
その「何か」について、 少し考えてみたいと思います。
企業価値には二つの側面があります。
一つは「外的企業価値」。 売上、利益、ブランド、市場評価。 外から測定できるもの。
もう一つは「内的企業価値」。 経営者の判断精度。 困難に向き合う胆力。 そして、経営者自身の状態──ごきげん。
外的企業価値は結果です。 内的企業価値は、その結果を生み出す源泉です。
判断精度が高ければ、良い判断が積み重なる。 胆力があれば、困難な局面で踏み留まれる。 ごきげんであれば、チームに良い影響が広がる。
内的企業価値が高い経営者のもとでは、 外的企業価値は自然と高まっていきます。
この構造に気づくかどうかが、 企業価値の天井を決めます。
- 構造①:外的企業価値は結果、内的企業価値は源泉
- 構造②:内的企業価値の三要素──判断精度、胆力、ごきげん
- 構造③:内的が高まると外的は自然とついてくる
構造①:外的企業価値は結果、内的企業価値は源泉
外的企業価値は、 測定できるものです。
売上はいくらか。 利益率は何パーセントか。 ブランドの認知度はどれくらいか。 株価や時価総額はいくらか。
これらは大切な指標です。 でも、これらは「結果」です。
結果には、必ず原因がある。
同じ市場環境で、 同じような事業をしているのに、 企業価値に大きな差が生まれることがあります。
その差を生んでいるのは、 戦略やプロダクトの違いだけではありません。
経営者自身の「内的な質」が、 結果に影響しています。
内的企業価値とは、 その「内的な質」を言語化したものです。
構造②:内的企業価値の三要素
内的企業価値は、 三つの要素で構成されます。
一つ目は「判断精度」。
経営は判断の連続です。 その一つひとつの精度が高ければ、 良い結果が積み重なります。
判断精度は、情報量だけでは決まりません。 判断するときの状態に大きく左右されます。
二つ目は「胆力」。
困難な局面で逃げずに向き合えるか。 不確実な状況で決断できるか。
胆力とは、 恐れの中にいても動ける力です。
三つ目は「ごきげん」。
経営者自身が内側から満ちている状態。 これは甘い話ではありません。
ごきげんな経営者のもとでは、 チームが自然と動きます。 良い人が集まります。 顧客との関係が良くなります。
ごきげんは、経営の基盤です。
構造③:内的が高まると外的は自然とついてくる
内的企業価値が高い経営者は、 どのような判断をするか。
焦りではなく確信から動く。 恐れではなく可能性から判断する。 欠乏感ではなく充足感から経営する。
この状態で下された判断は、 自然と質が高くなります。
質の高い判断が積み重なると、 外的企業価値は自然と上がっていきます。
逆もまた真です。
外的企業価値を追いかけるあまり、 内的企業価値が下がることがある。
無理をして売上を伸ばす。 焦って判断する。 疲弊してごきげんを失う。
すると、外的企業価値も いずれ頭打ちになります。
内的が先。外的は後。
この順番を知っているかどうかが、 企業価値の天井を決めます。
内的企業価値を観察する
- 最近の大きな判断を一つ思い出し、そのときの自分の状態を振り返る
- 焦りから判断したか、確信から判断したかを観察する
- 今の自分の「ごきげん度」を、静かに感じてみる
- 内的企業価値と外的企業価値、どちらに意識が向いているかを確認する
企業価値を高めたいなら、 外側だけを見ていても どこかで天井が来ます。
判断精度。 胆力。 ごきげん。
この三つが揃ったとき、 経営は静かに変わり始めます。
内的企業価値は、 外からは見えにくい。 数字にもなりにくい。
でも、確実に結果を左右している。
あなたの内的企業価値は、 今どのあたりにあるでしょうか。