相談できない。
相談相手がいないわけではない。 顧問税理士もいる。 弁護士もいる。 経営者仲間もいる。
でも、本当の悩みは話せない。
「こんなこと言ったら不安に思われる」 「弱みを見せるわけにはいかない」 「分かってもらえない気がする」
200社以上の経営支援を行ってきました。 多くの経営者が、同じことを言っていました。
「相談できない」のは、 相談相手がいないからではありませんでした。
経営者が相談できない本当の理由。 それは「立場」です。
経営者という立場が、相談を難しくしている。
1. 「弱みを見せられない」立場 ・従業員の前では常に自信を持っていなければ ・取引先には安心感を与えなければ ・不安を見せたら、みんなが不安になる
2. 「分かってもらえない」という前提 ・経営者の悩みは、経営者にしか分からない ・サラリーマン経験者には伝わらない ・「結局、自分で決めるしかない」
3. 「相談したところで」という諦め ・答えは自分で出すしかない ・相談しても、解決しない ・話しても、時間の無駄
この3つが、相談を阻んでいます。
- 理由①:弱みを見せられない
- 理由②:分かってもらえないという前提
- 理由③:相談したところでという諦め
- 解放:相談できる関係を作る
理由①:弱みを見せられない
経営者は、常に「強く」いなければならない。
【従業員の前では】 ・不安を見せたら、みんなが不安になる ・迷いを見せたら、求心力がなくなる ・「社長は分かっている」と思わせなければ
【取引先の前では】 ・弱みを見せたら、取引に影響する ・不安を見せたら、信用を失う ・常に安定していなければ
【家族の前では】 ・心配をかけたくない ・家に仕事を持ち込みたくない ・でも、話す相手がいない
【結果】 ・どこでも「強い自分」を演じる ・本音を話す場所がない ・弱みを見せられる人がいない
ある経営者の言葉: 「20年経営してきて、 本当の不安を話せた相手は、 片手で数えるほどしかいない」
弱みを見せられないのは、 経営者の「責任感」でもある。
でも、それが自分を追い詰めていることもある。
理由②:分かってもらえないという前提
「話しても、分かってもらえない」
経営者の多くが、こう感じています。
【なぜそう感じるのか】
経営者の悩みは、独特だから: ・全責任を負う立場の重圧 ・「最終決定者」であることの孤独 ・誰にも頼れない、という感覚
「サラリーマンには分からない」: ・雇われる側と、雇う側では、視点が違う ・リスクを負わない人には、伝わらない ・「辞めれば終わり」の人とは違う
【結果】 ・経営者仲間にしか話せない ・でも、経営者同士でも本音は話しにくい ・「競合」だったり「見栄」があったり
ある経営者の言葉: 「経営者の集まりに行くと、 みんな成功話ばかり。 失敗や不安は、誰も話さない」
「分かってもらえない」と思うのは、 ある意味、正しい。
経営者の悩みは、経営者にしか分からない部分がある。
でも、それを理由に 「誰にも話さない」を選ぶと、 孤独は深まるばかり。
理由③:相談したところでという諦め
「相談しても、どうせ自分で決めるしかない」
これも、経営者がよく言うことです。
【なぜそう思うのか】
最終決定は自分: ・どんなアドバイスをもらっても ・決めるのは自分 ・責任を取るのも自分
「答えは自分の中にある」: ・外部のアドバイスは、所詮外部 ・現場を知らない人の意見は、ずれている ・結局、自分で考えるしかない
時間がない: ・相談する時間があったら、動いた方がいい ・話している暇があったら、考えた方がいい ・「相談」という余裕がない
【結果】 ・一人で抱え込む ・誰にも頼らない ・「自分でやる」が当たり前になる
ある経営者の言葉: 「相談して、楽になったことがない。 結局、自分で決めるしかないんだから」
これは、半分正しい。 最終決定は、経営者がするもの。
でも、「相談」の価値は 「答えをもらうこと」だけではない。
解放:相談できる関係を作る
相談できないのは、構造的な問題。 でも、それは変えられる。
【相談の価値を再定義する】
相談 ≠ 答えをもらうこと
相談の本当の価値: ・考えを言語化できる ・自分の思考が整理される ・別の視点を得られる ・一人じゃないと感じられる
答えをもらわなくても、 「話す」だけで価値がある。
【相談できる関係とは】
弱みを見せても大丈夫な関係: ・立場を気にしなくていい ・本音を話しても安全 ・評価されない
分かってくれる(と感じられる)関係: ・経営者の立場を理解している ・同じ目線で聞いてくれる ・「分かる」と言ってもらえる
答えを押し付けない関係: ・一緒に考えてくれる ・最終決定は尊重してくれる ・壁打ち相手になってくれる
【どうやって作るか】
選択肢: ・経営者としての経験がある人 ・利益相反のない立場の人 ・長期で関われる人
具体的には: ・社外CXO ・経営コーチ ・メンター
いきなり深い話をする必要はない。 少しずつ、信頼を積み重ねる。
相談できる関係を作るチェック
- 「相談できない」理由を自覚する(弱みを見せられない、分かってもらえない、など)
- 相談の価値を再定義する(答えをもらうことだけが価値ではない)
- 相談できる関係の条件を明確にする
- 候補となる人を探す(社外CXO、コーチ、メンターなど)
- 小さな相談から始めてみる
経営者が相談できないのは、 「相談相手がいない」からではない。
立場が、相談を難しくしている。
・弱みを見せられない ・分かってもらえないと思う ・相談したところで、という諦め
この3つが、経営者を孤独にしている。
でも、それは変えられる。
相談の価値を再定義する。 相談できる関係を意識的に作る。
「一人で全部やる」から、 「話せる人がいる」に変わるだけで、 経営者の状態は大きく変わります。
相談できないと感じているなら、 まずは「相談できる関係」を 作ることから始めてみてください。