橋渡し2026-02-056分で読める

経営者が相談できない本当の理由

相談できない。

相談相手がいないわけではない。 顧問税理士もいる。 弁護士もいる。 経営者仲間もいる。

でも、本当の悩みは話せない。

「こんなこと言ったら不安に思われる」 「弱みを見せるわけにはいかない」 「分かってもらえない気がする」

200社以上の経営支援を行ってきました。 多くの経営者が、同じことを言っていました。

「相談できない」のは、 相談相手がいないからではありませんでした。

経営者が相談できない本当の理由。 それは「立場」です。

経営者という立場が、相談を難しくしている。

1. 「弱みを見せられない」立場 ・従業員の前では常に自信を持っていなければ ・取引先には安心感を与えなければ ・不安を見せたら、みんなが不安になる

2. 「分かってもらえない」という前提 ・経営者の悩みは、経営者にしか分からない ・サラリーマン経験者には伝わらない ・「結局、自分で決めるしかない」

3. 「相談したところで」という諦め ・答えは自分で出すしかない ・相談しても、解決しない ・話しても、時間の無駄

この3つが、相談を阻んでいます。

  • 理由①:弱みを見せられない
  • 理由②:分かってもらえないという前提
  • 理由③:相談したところでという諦め
  • 解放:相談できる関係を作る

理由①:弱みを見せられない

経営者は、常に「強く」いなければならない。

【従業員の前では】 ・不安を見せたら、みんなが不安になる ・迷いを見せたら、求心力がなくなる ・「社長は分かっている」と思わせなければ

【取引先の前では】 ・弱みを見せたら、取引に影響する ・不安を見せたら、信用を失う ・常に安定していなければ

【家族の前では】 ・心配をかけたくない ・家に仕事を持ち込みたくない ・でも、話す相手がいない

【結果】 ・どこでも「強い自分」を演じる ・本音を話す場所がない ・弱みを見せられる人がいない

ある経営者の言葉: 「20年経営してきて、 本当の不安を話せた相手は、 片手で数えるほどしかいない」

弱みを見せられないのは、 経営者の「責任感」でもある。

でも、それが自分を追い詰めていることもある。

理由②:分かってもらえないという前提

「話しても、分かってもらえない」

経営者の多くが、こう感じています。

【なぜそう感じるのか】

経営者の悩みは、独特だから: ・全責任を負う立場の重圧 ・「最終決定者」であることの孤独 ・誰にも頼れない、という感覚

「サラリーマンには分からない」: ・雇われる側と、雇う側では、視点が違う ・リスクを負わない人には、伝わらない ・「辞めれば終わり」の人とは違う

【結果】 ・経営者仲間にしか話せない ・でも、経営者同士でも本音は話しにくい ・「競合」だったり「見栄」があったり

ある経営者の言葉: 「経営者の集まりに行くと、 みんな成功話ばかり。 失敗や不安は、誰も話さない」

「分かってもらえない」と思うのは、 ある意味、正しい。

経営者の悩みは、経営者にしか分からない部分がある。

でも、それを理由に 「誰にも話さない」を選ぶと、 孤独は深まるばかり。

理由③:相談したところでという諦め

「相談しても、どうせ自分で決めるしかない」

これも、経営者がよく言うことです。

【なぜそう思うのか】

最終決定は自分: ・どんなアドバイスをもらっても ・決めるのは自分 ・責任を取るのも自分

「答えは自分の中にある」: ・外部のアドバイスは、所詮外部 ・現場を知らない人の意見は、ずれている ・結局、自分で考えるしかない

時間がない: ・相談する時間があったら、動いた方がいい ・話している暇があったら、考えた方がいい ・「相談」という余裕がない

【結果】 ・一人で抱え込む ・誰にも頼らない ・「自分でやる」が当たり前になる

ある経営者の言葉: 「相談して、楽になったことがない。 結局、自分で決めるしかないんだから」

これは、半分正しい。 最終決定は、経営者がするもの。

でも、「相談」の価値は 「答えをもらうこと」だけではない。

解放:相談できる関係を作る

相談できないのは、構造的な問題。 でも、それは変えられる。

【相談の価値を再定義する】

相談 ≠ 答えをもらうこと

相談の本当の価値: ・考えを言語化できる ・自分の思考が整理される ・別の視点を得られる ・一人じゃないと感じられる

答えをもらわなくても、 「話す」だけで価値がある。

【相談できる関係とは】

弱みを見せても大丈夫な関係: ・立場を気にしなくていい ・本音を話しても安全 ・評価されない

分かってくれる(と感じられる)関係: ・経営者の立場を理解している ・同じ目線で聞いてくれる ・「分かる」と言ってもらえる

答えを押し付けない関係: ・一緒に考えてくれる ・最終決定は尊重してくれる ・壁打ち相手になってくれる

【どうやって作るか】

選択肢: ・経営者としての経験がある人 ・利益相反のない立場の人 ・長期で関われる人

具体的には: ・社外CXO ・経営コーチ ・メンター

いきなり深い話をする必要はない。 少しずつ、信頼を積み重ねる。

相談できる関係を作るチェック

  1. 「相談できない」理由を自覚する(弱みを見せられない、分かってもらえない、など)
  2. 相談の価値を再定義する(答えをもらうことだけが価値ではない)
  3. 相談できる関係の条件を明確にする
  4. 候補となる人を探す(社外CXO、コーチ、メンターなど)
  5. 小さな相談から始めてみる

経営者が相談できないのは、 「相談相手がいない」からではない。

立場が、相談を難しくしている。

・弱みを見せられない ・分かってもらえないと思う ・相談したところで、という諦め

この3つが、経営者を孤独にしている。

でも、それは変えられる。

相談の価値を再定義する。 相談できる関係を意識的に作る。

「一人で全部やる」から、 「話せる人がいる」に変わるだけで、 経営者の状態は大きく変わります。

相談できないと感じているなら、 まずは「相談できる関係」を 作ることから始めてみてください。

相談相手がいないと感じている方へ。

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